その出逢いを高い確率でモノにするために許された時間

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たとえば、あなたはその日、出張で遠方に向かわなければならなかったとします。あなたは急いでホームを駆け上がり、新幹線に飛び乗ります。で、空いている席を見つけてそこに座ろうとした瞬間、となりに既に腰掛けていたビジネスマン風の若い男性と目が合います。

<わ。イケメン>

あなたはちょっとときめくわけです。あなたは軽く会釈をして、隣に腰掛けることになるわけですが、その瞬間を起点として、あなたにはある一定の時間だけ、彼に話しかけることができるチャンスが到来するのをご存じでしょうか。

「彼に話しかけることができるチャンス?」

ええ。ということで今回は「その出逢いを高い確率でモノにするために許された時間」というお話をしてみることにしましょう。

■ごく自然に話しかけることができる時間

「たまたま目があっただけでもチャンスがあるわけ?」

ええ。しかも相手に不信感を抱かれることなく、ごく自然に話しかけることができるチャンスです。これを知っておくと、新たな出逢いの機会はとても広がるものです。

ただし・・・。

「ただし何?」

このチャンス、たまたま目が合ってから話しかけることができるまでの時間は、とても短いんです。

「え?何分ぐらいなの?」

いえいえ。わずか10秒だと言われているんですね。

「10秒?それだけ?」

ええ。でもこの10秒間は、第一印象を意図して相手に植え付けることのできる時間なんですね。ですから好印象で話しかけることさえできれば、それが切っ掛けになる可能性は高いといえます。

ただし10秒ってずいぶん短いですよね。なので、あなたはあらかじめチャンスに備えて心の準備をしておくと良いかもしれません。

「どんな準備?」

■切っ掛け作りは笑顔と何気ない会話から

実は第一声はなんでもいいのです。あくまでも切っ掛けなので。ということで、現状をそのまま相手に伝えてしまうのが良いかもしれません。

たとえば今回の例では、あなたは新幹線に急いで乗り、座ろうとした瞬間に、隣に座っていたイケメン男と目があったわけですよね。なので、笑顔で会釈をして腰掛ける際、

「すみません。乗り遅れそうだったのでお騒がせしてしまって」


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と、そんな感じです。そしてこれが10秒以内であれば、彼はその言葉を無理なく受け入れて、何らかの言葉で答えてくれるはずです。

たとえば、「いいえ。ご出張ですか?」とかね。

この反応を10秒以内に得ることができたなら、それから以降は時間の許す限り、彼の対応を見ながらお話を続けることができるはずです。

また、不意にやってくる10秒のチャンスを逃さないために、素敵な笑顔を瞬時に作り出すトレーニングをしておくことをお勧めします。10秒間という限られた時間の中で、相手に好印象を与えるために有効な方法とは「笑顔」でもあるからです。

■初対面の最初の10秒が重要なタイミングである理由

「でもなんで10秒だけなんだろう?」

ですよね。

初対面の人と目があった際、脳裏ではなんらかの反応を示すものです。相手を観察しようとするかもしれませんし、警戒をするかもしれません。でも、最初の10秒程度は、心が反応をしそれに対する体制を作り出すことができないんですね。

よってまったく無防備のまま、相手はあなたの印象を受けることになります。ですから、この間に笑顔で相手の心に入りこむことさえできれば、相手はそれを心良く受け入れることができるわけです。

でも、10秒を超えた場合、相手は様々なことを考えますよね。あなたに好感を持てば良いですが別の感情が脳裏をよぎるかもしれませんし、緊張してしまうかもしれません。

そんな状態の相手に無理に話しかけようとしても、違和感や警戒感をもたれてしまう可能性もあるわけです。ですから最初の10秒こそが、あなたに与えられたチャンスということになるんですね。

■出逢う機会の数に等しいチャンス

10秒は短いですが、初めて会う機会はいくらでもあるものです。ですから、出逢ったその時、即アクションを起こすことさえできれば、それだけであなたは、強力なコミュニケーション能力を身に着けることになります。また、あらかじめトレーニングを行うことで、スキルを高めておくことはいくらでもできるわけです。

実際、自己のコミュニティを拡大する能力に長けている人は、この10秒を有効に活用したりします。たとえば第三者に紹介を受けた場合でも、「初めまして」と笑顔を見せた直後に、場を和ませるジョークを飛ばしたりね。すると相手もそれを好感を持って受け入れるので、その後のコミュニケーションも取りやすくなるわけです。

なんとなくイメージできますでしょうか。

あなたに与えられたのは10秒だけです。でもその時間は、あなたにとって大きなチャンスとなります。また、そのチャンスをモノにすることで、意外な大物をつり上げることになるかもしれません。知っておいて損はない戦略と思いますが、いかがでしょうか。

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