あなたには意中に秘めた彼の存在があります。あなたはなんとか彼に近づきたく思っていますが、なかなかそれができません。ましてやアプローチや告白などとても無理だと考えています。
さて、困りましたよね。
そんな場合は、小さなお願いを彼にすることで、彼からの好意を得る戦略が使えるかもしれません。ということで今回は、意中の彼に小さなお願い事をすることの重要性についてお話ししてみることにしましょう。
■頼みごとをする相手に好意を抱く理由
「好きでもない相手から頼みごとなんかされたら、嫌いになっちゃうんじゃない?」
あなたはそう思われませんか。確かに好きでもない人から頼みごとをされれば、それがどのような小さなお願い事であったとしても面倒に思いそうですよね。
でも、ちょっとした心理効果を、あらかじめ把握しておくことで、相手の好意を引き出すことに成功する場合があるものです。そしてここが人間の心理の面白いところといえます。
この戦略を成功させるためには、彼に負担にならない小さなお願いを用意しておきます。たとえば大学の学食で彼の斜め前に座ったあなた。備え付けのソースが彼の近くにあるとします。あなたは彼に「ごめんね。ソースを取ってもらっていい?」とお願いします。
彼は躊躇なくソースをあなたに渡してくれるはずです。あなたは「ありがとう!」と笑顔でそれを受け取ります。いかがでしょうか。この程度であれば誰でもできますよね。
さて、この際に彼の心には彼も気付かないちょっとした心理効果が生じます。彼はあなたからの頼みごとを聞き入れてそれに対する行動を起こしました。でもこの理由とは?もともと些細なことなので意味はないわけですが、彼の中では自身の行動を正当化するために、瞬時にこのような意識が生まれる可能性があります。
「彼女の頼みごとに答えた自分。でもなぜ?」ところが理由はありませんよね。しかし理由がなく自分が人のために動いたことの矛盾は、どこかで解消する必要が生じるんですね。そこで彼は「まあ、彼女は親しい存在だし」と自分の意識を変えることで矛盾を解消することがあるんですね。ちなみにこれを認知的不協和と呼びます。
この心理的な作用に、彼自身気付くことがありません。しかし、ほんの小さなあなたのお願いは、彼のあなたに対する意識を、わずかではありますが、変えることに成功しているわけです。
■フットインザドアの心理効果
ちなみに初段回において、相手との距離を縮めるために、ちょっとした願い事を投げかける手法を、フットインザドアと呼びます。これは、訪問販売の営業マンが用いる手法でもあります。
家のチャイムが鳴ったので出てみると、そこには営業マンらしき男。彼は簡単な自己紹介の後に「5分でかまいませんのでお時間頂戴できませんか」と続けます。
あなたがそれに承諾をした場合、営業マンはその後に商品の紹介を始めることでしょう。まあ、おおよその場合5分では済まないわけですが、それを許諾してしまうことになります。つまり、ドアの中に足を差し込むことから、営業マンは始めたわけです。
■あなたが取るべき次の戦略とは
さて、フットインザドアに成功したのなら、切っ掛け作りは完了です。次にはもう少しだけ大きなお願いをすることにします。とはいえ、まだ彼との関係性は気迫なので、あまりハードルを上げてしまうのはリスキーです。なので、たとえばこんな展開を図ります。
「さっきはありがとう!」
「え?」
「ソース。取ってもらっちゃって」
「ああ、いいよそんなの」
「ところで就活で相談したいことがあるんだけど」
「え?ボク?」
「うん。実は私も商社を狙ってるんだけど、わからないことがあって」
ソースを取った事など、記憶にも残っていないかもしれません。でも、微妙に彼との関係性を近づけているはずです。また、フットインザドアが成立しているのであれば、彼は容易にあなたの次のお願いを聞き入れてくれるはずです。
「わかった。じゃあ駅前のカフェで待ち合わせる?」
そしてこの段階において、彼のあなたに対する好意は、さらに大きく育つわけです。あとは、彼との会話の機会を増やしていき、二人で頻繁に会うようになれば、二人の関係性は急速に縮まることになります。
彼はあなたの戦略にまんまとはまり、あなたに落ちることになります。しかしこの戦略の存在自体、彼は気付くことはありません。どうぞ、素敵な恋愛を楽しんでくださいね。